【感想・ネタバレなし】きらきらひかる/江國香織→ワールド全開!切ないけど病まない絶妙な余韻

読書

みなさまお疲れ様です!すだです

今回は、江國香織さんの「きらきらひかる」をご紹介します!

この本について

私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである――。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人はすべてを許しあって結婚した、はずだったのだが……。セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは? 傷つき傷つけられながらも、愛することを止められないすべての人に贈る、純度100%の恋愛小説。

Amazon紹介ページより

読み終わった後、この「純度100%の恋愛小説」の意味が分かった気がしました。

これはずっと本棚に大切にしまっておきたい、そんな一冊・・・!

  • 1994年5月30日発売
  • 著者:江國香織
  • 426円(税込み)
  • 新潮文庫
  • 211ページ

こんな人に読んでほしい

  • 純度100%の恋愛小説を読みたい人
  • 見た目ではわからない気持ちのモヤモヤを抱えている人
  • 切ない恋愛小説を読みたい人
  • 読書初心者の方(薄いのでおすすめ)→30分ずつ読んだら確実に1週間で読み終わる!

というか女性の方には全員おすすめ・・・(笑)

感想【ネタバレなし】

読み終わった後も、物語の世界から抜け出せないような妙な余韻に包まれていました…

私の中では共感できる部分が結構あって、かなり感情移入してしまったかも

32年前も今も変わらない苦悩

驚くのはこれが1991年、今から32年も前に書かれた小説だということ😳

アル中の妻と、ホモで恋人ありの夫。

どちらも、見た目では分からない悩みがあり、今でも間違った認識や偏見はなくなりませんが32年前ってもっとすごかったのでは?

それが既に作品化されていたこと、これを読んだ人はどう思ったのだろう?と考えさせられました💭

当時、同性愛者だった方はこれを読んで救われたのかな?

当時、アル中などの依存症に悩んでいた方は、救われたのかな?

32年前に比べると、「アル中」も「ホモ」も使われなくなったように、少しずつみんなの理解も広まっているように感じます🌱

当事者の方しかわからない苦悩はあると思いますが、これから時代が進むにつれて、どんどん理解が広まっていけばいいと願う作品でした。

結婚に対する”周り”の目と”私”の感情

このお話ではアル中の笑子と、ホモの睦月がお互いの事情を知ったうえで結婚をします💍

私が感情移入してしまったのは、お互いではなく”周りが”結婚や出産を勧めてくることへの違和感でした😕

身内や世間からの目線で、笑子も、睦月も、しずかに追い詰められていきます

特に笑子は感情の起伏が激しく、その描写が細かくてリアルで、自分の気持ちもかなり揺さぶられました

感情を自分でコントロールできない苦しさや悔しさを、くっきりそのまま書き写したような描写でした

でも、誰も悪くない、と思います

自分をおいつめる笑子
笑子を想ってやさしくする睦月
笑子に無責任に結婚を勧めた医者
睦月に「ひとり息子なんだから」とくぎを刺す実母
睦月のことを”おとこおんな”だと罵る義父

私は独身で自由の身なので笑子に同情してしまいますが、親の立場になったら同じように世話を焼いて余計な心配をしてしまうのかもなあ、と💭

誰も悪くないからこそ一筋縄には解決できなくて、みんながみんな、自分を正義だと思っている空気感が妙にリアルでした

笑子と睦月が2人暮らししているマンションでのシーンが多く、隣の部屋に住んでいるような気さえしてきます🧸

でも「読んでよかった」と前を向かせてくれる

と、ここまで書いて、すんごい暗い小説みたいになっちゃってますが、読み終わった後「2人ならどうにかなるかも…」と思ってしまったのが印象的でした!

余韻はありましたが、ずーん、みたいな暗い気持ちを引きずることはありませんでした

笑子と睦月の、男女を超えた絆や愛が感じられるからだと思います😌

【余談】32年前の激エモチラシ・・・!?

最後に…

この本、ブックオフで購入したんですが激エモのチラシ?が挟まっていて…

激エモのチラシ

なんでしょうこのブラウン管みたいなパソコン…!

私が生まれる2年前のものみたいですね🌝

分かってはいましたが、この本が私よりも先に生まれて、今まで日本で過ごしていた先輩だったことを改めて思い知りました😂✨

そして今、私の手元にやってきたことの喜びと、PCやスマホのめざましい進化に驚いています😳笑

それと100冊分のデータが入ったCDが15,000円…

とんでもないディスク

当時の人が今のサブスクを知ったらたまげるだろうなあ…🧐笑

あ、この頃から「積ん読」という言葉はあったようですね…

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