【感想/ネタバレなし】あなたは、誰かの大切な人/原田マハ →仕事に打ち込んできたレディに贈りたい物語

読書

この本について

勤務先の美術館に宅配便が届く。差出人はひと月前、孤独のうちに他界した父。つまらない人間と妻には疎まれても、娘の進路を密かに理解していた父の最後のメッセージとは……(「無用の人」)。歳を重ねて寂しさと不安を感じる独身女性が、かけがえのない人に気が付いたときの温かい気持ちを描く珠玉の六編

Amazon紹介ページより

読み終わった後、タイトルがより一層心に沁みます。

  • 2017年5月16日発売
  • 著者:原田マハ
  • 638円(税込み)
  • 講談社文庫
  • 224ページ

こんな人に読んでほしい

  • 仕事に打ち込んできた素敵なレディなあなたに
  • 人と人との「縁」を感じられるあたたかい物語を読みたい方
  • 短編集がすきな方
  • ファンタジーよりも現実的で共感できる小説が好みな方

感想【ネタバレなし】

初!原田マハさん作品です

大人の女性に読んでほしい

この本は6つの短編集。アートや美術に関連するお話が多いイメージでしたが、6つ全てが大人(40〜50代)の独身女性のお話であることに少し驚きました😳

私(26歳のペーペーです)からするとお母さん世代である女性のお話。

登場する女性と私の年齢が違う分、直面する問題も違っていました

特に、お父さんの最期やお母さんの認知症の話は胸にぐっとくる、、、😢

「仕事が忙しいとか、彼とのデートが忙しいとか、なんやかんや理由を作って、めったに帰らへんかったもんなあ。せやけど、親がだんだん年をとってくると、お母はんと私、母と娘でいられる時間はだんだん減っていくんやなあ、とつくづく思う。」

あなたは、誰かの大切な人 – p168

私の両親はまだまだ元気で弱っていく姿は想像できませんが、(想像したくないだけかも、)元気なうちにできるだけ多くの時間を過ごしたいなと改めて思いました😌🌱

「アートって作品だけじゃないのか」

原田マハさんはアートに関する小説で有名かと思いますが、この本を読んで「アートって作品だけじゃないのか😳」と感じました

例えば窓からの風景の描写

窓の鍵を開け、磨りガラスを横に滑らせる。むせかえるような満開の桜が、一枚の絵画になって、現れた。その日、その部屋で、窓を開け放ったまま、太陽が西に傾くまで、私はその「絵」と飽かず向かい合った。

あなたは、誰かの大切な人 – p106

「美しい」と感じられれば、それはその人にとってのアートだと教えてくれた気がします。そして、「美しい」と感じたものの美しさをより味わおうと思えました!来年の美しい桜を見るのが楽しみ🌸🤍

いちばんの幸福とは?

そして、個人的にいちばん心に残ったことば

神様は、ちゃんと、ひとりにひとつずつ、幸福を割り当ててくださっている。誰かにとっては、それはお金かもしれない。別の誰かにとっては、仕事で成功することかもしれない。でもね、いちばんの幸福は、家族でも、恋人でも、友だちでも、自分が好きな人と一緒に過ごす、ってことじゃないかしら。

あなたは、誰かの大切な人 – p77

アメリカのメキシカン・タウンに住む五年前に夫を亡くしてしまった朗らかでおもてなし上手な女性、エスターの言葉です。エスターの、旦那さんとの物語を聞いたうえでこの言葉を聞くとより心に沁みるし、励まされます。

タイトルの「あなたは、誰かの大切な人」という言葉も、この本を読んでからだとより一層、心に沁みると思います😌

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